成果測定・継続④ 継続改善を支えるPDCA:形だけにしない運用のコツ

はじめに

多くの企業でPDCAが導入されていますが、その多くが「やっているつもり」になってしまい、改善が形骸化しています。特に「Check(評価)」と「Act(対策)」が弱くなると、改善の持続性は失われてしまいます。本記事では、PDCAを“形だけ”にしないための実践的な運用のコツを紹介します。


よくある失敗パターン

  • Planは立てるが、Doだけで終わる
  • Checkが形式的で、改善点が特定されない
  • Act(次の対策)に結びつかない

強化すべき「Check」フェーズの工夫

  • 定量指標を可視化(KPIグラフ・ダッシュボード活用)
  • 「なぜ?」を5回繰り返す習慣(5 Whys)
  • 現場レビュー会議の定例化(週次・月次)

「Act」フェーズでやるべきこと

  • 原因別に再発防止策を策定
  • 責任者と期限の明確化
  • 次期PDCAに対して“振り返り”の反映

現場での工夫事例

  • 製造現場で「Check」を壁掲示し、みんなが目にする仕組みを導入
  • 「Act」は次回の朝会で実施・完了報告を義務づけて実効性を強化

まとめ

PDCAを“運用”しなければ意味がない。特にCheckとActを強化する仕組みづくりが、改善を文化として根付かせるための鍵です。


 

監修者

ファンクショナル・インプルーブメント編集部

製造業の原価低減・VE提案の専門家。
1996年より大手自動車部品メーカーで原価企画・VE推進を担当。
製造業の現場に根ざしたコスト低減施策を数多く企画・実行し、VE・VA活動の定着化支援や設計原価の見える化に精通。
「設計段階から原価の8割が決まる」思想のもと、最適構造設計や購買連携によるLCC視点の改革を実現してきた。

VOICE

  • ★★★★★5
    某大手総合重工業メーカー様
    VEの本質を学び、新たな技術的アイデアを発見
    これまで経験や勘に頼ったVEを実施していましたが、今回の研修を通じて、本来のVE(教科書レベルでなく実践)を学ぶことができました。
    その結果、従来のVEでは気づけなかった具体的なアイデアを抽出でき、大きな気づきを得ることができました。「目からウロコ」とはまさにこのことだと実感しております。今後はこの実践的な手法を活かし、より効果的なVE活動を推進していきたいと考えております。
  • ★★★★★5
    某大手自動車会社様
    「機能本位」の発想で抜本的な改善を実現
    これまでの発想は、主に「モノ」を基準に考えるものでした。しかし、VEの研修を通じて「機能本位」の発想の重要性を学び、単なる部分的な改善ではなく、抜本的な改善が可能であることを実感しました。この視点の転換により、従来の発想では見えてこなかった新しい改善策を見出すことができ、今後の業務において大いに活用していきたいと考えています。
  • ★★★★★5
    某外資系鉄道会社様
    機能別コスト分析による抜本的なコスト改善
    これまで部品単位でのコスト分析は行っていましたが、VEを学ぶことで機能ごとのコスト分析の重要性を理解しました。
    これにより、単なるモノの改善ではなく、コストが高い機能に着目し、より根本的なコスト削減を実現できました。もっと早くこの知識を学んでいれば、より多くの改善ができたと感じています。
    今後は引き続きVEの視点を取り入れ、より戦略的なコスト削減に取り組んでいきます。
 

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