調達改善⑦ サプライヤーの“見える化”でコストリスクを下げる方法

はじめに

「コスト交渉はしているが、感覚的で限界がある…」 「納期や不良の情報が属人化していて共有されていない…」

その状態では、調達リスクを下げることはできません。

本記事では、サプライヤーの実力・実績・課題を“見える化”してコスト交渉と改善に活かす方法を紹介します。


見える化”するべき5つのデータ

  1. 納期遵守率(目標95%以上)
  2. 不良率(ロット数/返品数)
  3. コスト推移(値上げ・値下げ履歴)
  4. 改善提案数(年あたりのVA/VE回数)
  5. 問い合わせ対応時間(平均初動時間)

活用ツール例

  • サプライヤー評価シート(Excel・クラウド可)
  • ABCランク分け(総合評価でA〜C分類)
  • 四半期レビュー(KPI報告+フィードバック)

指標例(定量評価)

指標項目A評価B評価C評価
納期遵守率≧98%95〜97%<95%
不良率<0.2%0.2〜0.5%≧0.5%
VA提案年2回以上年1回なし

実例:電子部品メーカーの改善事例

  • 主要10社に対し、月次レポートとスコアカードを導入
  • 最下位2社には「要改善通知」+改善計画の提出依頼
  • 半年後、不良率が0.6%→0.1%、値下げ交渉も成功

まとめ

「見える化」とは、評価・交渉・改善を可能にする武器です。

“なんとなく高い・遅い・悪い”を、“数字で可視化”し、“行動を引き出す評価指標”に変えることで、サプライヤーとの関係はより健全に、戦略的になります。

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