製造現場改善① なぜ現場の改善が止まるのか?失敗する5つの理由

はじめに

「最初は盛り上がったのに、数ヶ月後には元通り」。 製造現場の改善活動が継続しない──そんな悩みを抱える企業は少なくありません。

現場改善は、単に「改善提案制度」や「ムダ取り」を導入するだけでは定着しません。本記事では、なぜ改善が続かないのかを5つの視点から分析し、その対策を紹介します。


改善が止まる5つの典型的理由

1. 責任者が不在 or 権限が弱い

改善推進者(改善リーダーや監督者)に権限がなく、現場の抵抗に押されてしまう。改善実行に必要な「指示力」と「支援体制」が欠けると、動きが止まる。

→ 対策:経営層から「改善責任者」に明確な役割・権限を与える。


2. 改善効果が可視化されていない

活動を続けても「何がどれだけ良くなったか」が見えず、現場のモチベーションが下がる。

→ 対策:改善前後の「時間」「歩行距離」「不良数」など数値を測定・見える化する。


3. 改善内容が“やらされ感”で現場に浸透しない

現場作業者が納得していないのに、管理側の一方的な指示で進めてしまう。

→ 対策:改善は“現場発案”をベースに。自分たちで「ムリ・ムダ・ムラ」を発見できる仕組みにする。


4. 成果が業務に反映されず、空回りする

せっかく改善提案が出ても、設備変更や体制見直しが進まず「結局何も変わらない」。

→ 対策:「その場でできる改善」と「設備・仕組み変更が必要な改善」を分けて、後者は月次レビューで経営判断へつなげる。


5. 人の入れ替わりで継続できない

担当者が異動・退職すると改善が止まる。ノウハウも属人化して継承されない。

→ 対策:「標準化」「記録化」でナレッジを残し、新人でも理解できる状態に。


まとめ

現場改善の失敗は、現場の力不足ではなく「仕組み」の不在が原因です。

  • 改善の責任者を明確にし
  • 効果を見える化し
  • 現場主導の活動にし
  • 成果を業務に反映し
  • 継続できる土台(標準化・記録化)を整える

これが、改善を止めずに“文化”として根づかせる第一歩です。


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