VE・VA実践④ 【図解】VEによるコスト構成の見直しフロー

はじめに

VE(Value Engineering)では、コスト構造を「機能」の視点で分解・再構築することが重要です。価格を下げるのではなく、“そのコストが本当に価値に直結しているのか”を検証するのがVEの基本姿勢です。

この記事では、VE的なコスト見直しの具体的なステップと、実際の製品での図解イメージを交えながら、実務に役立つ改善手法を紹介します。


ステップフロー:機能別コスト構成の見直し

  1. 機能系統図を作成
  2. 各機能に対応するコストを配分
  3. コストが集中している機能を特定
  4. 代替案の検討(VEブレスト)
  5. 効果試算と最適案の選定

🔍【図解】例:産業用ノズル部品のコスト再構築

matlab

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主機能:液体を霧化する

├─ 現状構成:

│   └─ 精密CNC加工ノズル:部品コスト=800円(全体コストの30%)

├─ 分析:

│   └─ 実使用条件では精密度は過剰(±0.05mmまで不要)

├─ 代替案:

│   ├─ 樹脂射出成型に変更 → 成形金型費用は初期投資で回収

│   ├─ 流路設計見直し → 霧化性能は維持

│   └─ 部品単価:480円 → コスト40%削減


活用のヒント

  • 図面だけで議論せず、「機能×コスト」で整理すると、異なる部門間での共通理解が進みます
  • VEカンファレンスや設計初期段階でこの手法を導入すると、後戻りコストを防げます

まとめ

VEにおける「コスト構成の見直し」は、単なる費用削減ではなく、「どの機能に、どれだけのコストをかけるか」を再設計する作業です。

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