はじめに
VE活動を成功させるには「機能の見える化」が不可欠です。その中心となるのが “機能系統図”です。本記事では、実際の作成手順と運用方法を図解付きで解説します。
機能系統図とは?
製品・システムの機能を、「基本機能」から「二次機能」まで階層構造で整理した図。目的と手段の関係が可視化される。
✅ 【具体例】家庭用電気ポットの機能系統図(階層構造)
┌────────────┐
│ 家庭用電気ポットの機能系統図 │
└────────────┘
【主機能】
└→ お湯を提供する(主機能)
├─ お湯を沸かす(手段1)
│ ├─ 電気で加熱する(ヒーター)
│ └─ 水を加熱容器に保つ(内釜)
│
├─ お湯を保温する(手段2)
│ ├─ 温度を検知する(温度センサー)
│ └─ 保温ヒーターを調整する
│
├─ お湯を注ぐ(手段3)
│ ├─ 給湯ボタンで制御する
│ └─ ポンプで押し出す
│
└─ 安全性を確保する(補助機能)
├─ 空焚き防止機能を働かせる
└─ 転倒時に電源を切る
🔍 解説:
- 「基本機能」は1つだけ(目的):「お湯を提供する」
- そのために必要な手段が枝分かれして並ぶ(機能構成)
- 部品や設計仕様とひもづけると、“その部品は何のためにあるか?”が一目で分かる
💡 使い方のポイント:
- 設計者や購買部門とこの図を共有することで、「機能に対してコストが見合っているか?」の議論がスムーズになります
- また「代替手段を考えるべき機能(コストが高い割に副機能)」も見つけやすくなります
作成ステップ
- 製品の主要機能(何のために存在するのか)を定義
- それを実現する構成要素を洗い出し
- 各部品・要素が持つ機能を「動詞+名詞」で記述
活用例:小型ヒーター製品
- 基本機能:空気を温める
- 二次機能:空気を取り込む、発熱する、放熱を抑える、安全性を保つ
実務活用ポイント
- 多部門で機能を共有することで誤解が減る
- 工数削減や部品共通化の議論に直結
まとめ
機能系統図は“コストを機能に紐づける”ためのベースです。VE導入時は必ずこの図を描くことが改善精度を左右します。特に機能に対してどんな部品構成になっているのか?機能別コスト分析より割高な機能コストに対して別手段を考案。
従来は部品に対していくらのコストの見方、(この考えでは部品はなくならない)
一方で機能に対して別手段を考える事で大幅なコスÞダウンが狙える
コメント