成果測定・継続① 成果測定の基本:定量と定性のバランスを取る

はじめに

改善活動の成果を評価する際、「どれだけコストが削減されたか」「納期が何日短縮されたか」といった**定量的指標(KPI)**に注目しがちです。しかし、それだけでは本質的な改善効果を正確に捉えることはできません。職場の雰囲気や従業員のモチベーションなど、定性的な要素もあわせて評価することで、真の改善成果が見えてきます。


定量評価とは?

  • 作業時間の短縮(例:1製品あたり10分短縮)
  • コスト削減率(例:年間5%の原価低減)
  • 不良率改善(例:歩留まり95%→98%)

メリット:客観的に比較しやすく、意思決定に使いやすい


定性評価とは?

  • 従業員の改善意識の向上
  • チーム内コミュニケーションの活性化
  • 現場の整理整頓状態や安全意識の変化

メリット:数値化しにくいが、現場の“風土”に変化をもたらす重要要素


バランスのとれた成果測定例

観点指標例測定方法
定量作業工数削減率作業前後でストップウォッチ計測
定性改善提案件数現場からの改善提案数の変化
定性現場の5S評価点定期監査スコアの推移

まとめ

KPIの“数値化”だけで満足していては、改善の本質を見逃します。定性と定量の両面から測定することで、より深く・継続的な改善サイクルを構築できます。

 

監修者

ファンクショナル・インプルーブメント編集部

製造業の原価低減・VE提案の専門家。
1996年より大手自動車部品メーカーで原価企画・VE推進を担当。
製造業の現場に根ざしたコスト低減施策を数多く企画・実行し、VE・VA活動の定着化支援や設計原価の見える化に精通。
「設計段階から原価の8割が決まる」思想のもと、最適構造設計や購買連携によるLCC視点の改革を実現してきた。

VOICE

  • ★★★★★5
    某大手総合重工業メーカー様
    VEの本質を学び、新たな技術的アイデアを発見
    これまで経験や勘に頼ったVEを実施していましたが、今回の研修を通じて、本来のVE(教科書レベルでなく実践)を学ぶことができました。
    その結果、従来のVEでは気づけなかった具体的なアイデアを抽出でき、大きな気づきを得ることができました。「目からウロコ」とはまさにこのことだと実感しております。今後はこの実践的な手法を活かし、より効果的なVE活動を推進していきたいと考えております。
  • ★★★★★5
    某大手自動車会社様
    「機能本位」の発想で抜本的な改善を実現
    これまでの発想は、主に「モノ」を基準に考えるものでした。しかし、VEの研修を通じて「機能本位」の発想の重要性を学び、単なる部分的な改善ではなく、抜本的な改善が可能であることを実感しました。この視点の転換により、従来の発想では見えてこなかった新しい改善策を見出すことができ、今後の業務において大いに活用していきたいと考えています。
  • ★★★★★5
    某外資系鉄道会社様
    機能別コスト分析による抜本的なコスト改善
    これまで部品単位でのコスト分析は行っていましたが、VEを学ぶことで機能ごとのコスト分析の重要性を理解しました。
    これにより、単なるモノの改善ではなく、コストが高い機能に着目し、より根本的なコスト削減を実現できました。もっと早くこの知識を学んでいれば、より多くの改善ができたと感じています。
    今後は引き続きVEの視点を取り入れ、より戦略的なコスト削減に取り組んでいきます。
 

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