DX・IT活用・異分野応用① なぜDXで原価管理が変わるのか?導入のメリットと注意点

はじめに

「うちは紙で十分」「Excelで慣れてるから」。そうした声が根強い中でも、原価管理の分野でDX(デジタルトランスフォーメーション)は着実に進行しています。この記事では、DX導入が原価管理にどんな変化をもたらすのか、また導入の際に注意すべき点を整理します。


DXがもたらす変化

  • リアルタイム性の向上:実績データを即座に可視化し、問題の早期発見が可能に
  • 属人化の排除:人依存だった見積や管理をルール化・自動化
  • 分析・報告の自動化:BIツールとの連携で経営判断が迅速に

導入のメリット

  • 工程別・製品別の原価構成が見えるようになり、“どこに無駄があるか”が把握しやすくなる
  • 設計や購買など他部門とのコスト連携が可能になる(LCC視点)
  • 全社的な原価意識向上(KPIとの連動)

注意点と失敗しないポイント

  • 現場巻き込みの不足:IT部門任せでは失敗する、現場とのギャップ解消がカギ
  • システムの過剰設計:最初から全自動ではなく、段階的ステップが成功率を上げる
  • 使わない機能の多さ → 本当に必要な機能の“スモールスタート”が基本

まとめ

原価管理におけるDXは“単なるツール導入”ではなく“コスト意識と経営判断の変革”です。成功の鍵は、現場起点と段階的導入にあります。


 

監修者

ファンクショナル・インプルーブメント編集部

製造業の原価低減・VE提案の専門家。
1996年より大手自動車部品メーカーで原価企画・VE推進を担当。
製造業の現場に根ざしたコスト低減施策を数多く企画・実行し、VE・VA活動の定着化支援や設計原価の見える化に精通。
「設計段階から原価の8割が決まる」思想のもと、最適構造設計や購買連携によるLCC視点の改革を実現してきた。

VOICE

  • ★★★★★5
    某大手総合重工業メーカー様
    VEの本質を学び、新たな技術的アイデアを発見
    これまで経験や勘に頼ったVEを実施していましたが、今回の研修を通じて、本来のVE(教科書レベルでなく実践)を学ぶことができました。
    その結果、従来のVEでは気づけなかった具体的なアイデアを抽出でき、大きな気づきを得ることができました。「目からウロコ」とはまさにこのことだと実感しております。今後はこの実践的な手法を活かし、より効果的なVE活動を推進していきたいと考えております。
  • ★★★★★5
    某大手自動車会社様
    「機能本位」の発想で抜本的な改善を実現
    これまでの発想は、主に「モノ」を基準に考えるものでした。しかし、VEの研修を通じて「機能本位」の発想の重要性を学び、単なる部分的な改善ではなく、抜本的な改善が可能であることを実感しました。この視点の転換により、従来の発想では見えてこなかった新しい改善策を見出すことができ、今後の業務において大いに活用していきたいと考えています。
  • ★★★★★5
    某外資系鉄道会社様
    機能別コスト分析による抜本的なコスト改善
    これまで部品単位でのコスト分析は行っていましたが、VEを学ぶことで機能ごとのコスト分析の重要性を理解しました。
    これにより、単なるモノの改善ではなく、コストが高い機能に着目し、より根本的なコスト削減を実現できました。もっと早くこの知識を学んでいれば、より多くの改善ができたと感じています。
    今後は引き続きVEの視点を取り入れ、より戦略的なコスト削減に取り組んでいきます。
 

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