はじめに
VE(Value Engineering)では、コスト構造を「機能」の視点で分解・再構築することが重要です。価格を下げるのではなく、“そのコストが本当に価値に直結しているのか”を検証するのがVEの基本姿勢です。
この記事では、VE的なコスト見直しの具体的なステップと、実際の製品での図解イメージを交えながら、実務に役立つ改善手法を紹介します。
ステップフロー:機能別コスト構成の見直し
- 機能系統図を作成
- 各機能に対応するコストを配分
- コストが集中している機能を特定
- 代替案の検討(VEブレスト)
- 効果試算と最適案の選定
🔍【図解】例:産業用ノズル部品のコスト再構築
matlab
コピーする編集する
主機能:液体を霧化する
├─ 現状構成:
│ └─ 精密CNC加工ノズル:部品コスト=800円(全体コストの30%)
│
├─ 分析:
│ └─ 実使用条件では精密度は過剰(±0.05mmまで不要)
│
├─ 代替案:
│ ├─ 樹脂射出成型に変更 → 成形金型費用は初期投資で回収
│ ├─ 流路設計見直し → 霧化性能は維持
│ └─ 部品単価:480円 → コスト40%削減
活用のヒント
- 図面だけで議論せず、「機能×コスト」で整理すると、異なる部門間での共通理解が進みます
- VEカンファレンスや設計初期段階でこの手法を導入すると、後戻りコストを防げます
まとめ
VEにおける「コスト構成の見直し」は、単なる費用削減ではなく、「どの機能に、どれだけのコストをかけるか」を再設計する作業です。
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