はじめに
製造現場では、「歩く」「探す」「待つ」などの時間が無意識に積み上がり、総作業時間の大半を占めてしまうこともあります。
このムダを減らすには、5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)に動線改善を組み合わせ、“必要な物が必要なときにすぐ取れる”環境づくりが必要です。
よくあるムダの例と定量化方法
ムダ内容 | 測定方法 | よくある現象 |
歩行距離 | ステップカウンター、ラインテープ | 工具を取りに5m往復×20回/日 |
探す時間 | ストップウォッチ観察 | どこに置いたかわからない部品探し |
手待ち時間 | 工程間バランス分析 | 材料・指示待ちで手が止まる |
改善ステップ
- 現場観察と記録
- 歩行・探し・手待ちを「数値化」
- ビデオ観察や動線スケッチを活用
- レイアウト・棚番号の見直し
- 使用頻度別に近接配置
- 棚番・定位置表示で“探させない”
- 5S活動との連動
- 整理=不要な物を捨てる
- 整頓=必要な物を取りやすく配置
- 清掃・清潔・しつけ=維持と継続の習慣化
成果事例
- 歩行距離を1日800m→400mに半減
- 工具の「探す時間」平均1.5分→15秒に短縮
- 手待ち時間削減でライン効率12%向上
まとめ
5Sと動線改善は、“地味だけど効く”現場改善の王道です。 見た目の整理整頓に留まらず、「動作時間」を削減することがコスト改善にも直結します。
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