VE・VA実践② 機能系統図の作り方と活用法

はじめに

VE活動を成功させるには「機能の見える化」が不可欠です。その中心となるのが “機能系統図”です。本記事では、実際の作成手順と運用方法を図解付きで解説します。

機能系統図とは?

製品・システムの機能を、「基本機能」から「二次機能」まで階層構造で整理した図。目的と手段の関係が可視化される。


【具体例】家庭用電気ポットの機能系統図(階層構造)

┌────────────┐

│ 家庭用電気ポットの機能系統図 │

└────────────┘

【主機能】

└→ お湯を提供する(主機能)

 ├─ お湯を沸かす(手段1)

 │   ├─ 電気で加熱する(ヒーター)

 │   └─ 水を加熱容器に保つ(内釜)

 │

 ├─ お湯を保温する(手段2)

 │   ├─ 温度を検知する(温度センサー)

 │   └─ 保温ヒーターを調整する

 │

 ├─ お湯を注ぐ(手段3)

 │   ├─ 給湯ボタンで制御する

 │   └─ ポンプで押し出す

 │

 └─ 安全性を確保する(補助機能)

     ├─ 空焚き防止機能を働かせる

     └─ 転倒時に電源を切る


🔍 解説:

  • 「基本機能」は1つだけ(目的):「お湯を提供する」
  • そのために必要な手段が枝分かれして並ぶ(機能構成)
  • 部品や設計仕様とひもづけると、“その部品は何のためにあるか?”が一目で分かる

💡 使い方のポイント:

  • 設計者や購買部門とこの図を共有することで、「機能に対してコストが見合っているか?」の議論がスムーズになります
  • また「代替手段を考えるべき機能(コストが高い割に副機能)」も見つけやすくなります

作成ステップ

  1. 製品の主要機能(何のために存在するのか)を定義
  2. それを実現する構成要素を洗い出し
  3. 各部品・要素が持つ機能を「動詞+名詞」で記述

活用例:小型ヒーター製品

  • 基本機能:空気を温める
  • 二次機能:空気を取り込む、発熱する、放熱を抑える、安全性を保つ

実務活用ポイント

  • 多部門で機能を共有することで誤解が減る
  • 工数削減や部品共通化の議論に直結

まとめ

機能系統図は“コストを機能に紐づける”ためのベースです。VE導入時は必ずこの図を描くことが改善精度を左右します。特に機能に対してどんな部品構成になっているのか?機能別コスト分析より割高な機能コストに対して別手段を考案。

従来は部品に対していくらのコストの見方、(この考えでは部品はなくならない)

一方で機能に対して別手段を考える事で大幅なコスÞダウンが狙える

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